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ここからはバイオテクノロジーエクスプローラーキット2を使いました。GFPの遺伝子導入に成功した大腸菌を培養し、GFPを作らせた後、大腸菌を破砕しGFPを集めます。GFPは紫外線を当てると緑色の蛍光を発することで存在がすぐにわかります。
LB/ampの白いコロニーとLB/amp/araの緑色のコロニーをそれぞれLB/amp/ara液体培地の入った培養チューブに入れ、1分間激しく振りました。
32℃の恒温器に水平に置き、ときどき振って、3日間培養をしました。
培養終了後、次の授業まで冷蔵庫で保存しました。
白いコロニーを培養したものも、緑色のコロニーを培養したものも、培養チューブに紫外線を当てると緑色の蛍光を発します。共にGFPを作っていることがわかります。
培養チューブの培養液を2mlのマイクロチューブに入れました。全体から緑色の蛍光がでていることがわかります。GFPが作られたことがわかります。(左)
遠心分離器で10分間遠心をしました。上清を別のチューブにとりました。右が沈でん。左が上清です。(右)
右の沈澱が緑色の蛍光を発しています。沈澱にGFPが含まれていることがわかります。
沈でん(大腸菌)にTEバッファー(GFPを良く溶かす)を加えました。
さらに、細胞壁を溶かすリゾチームと呼ばれる酵素を加えかき混ぜました。
リゾチームは涙や鼻水に含まれています。病原体の細胞壁を溶かして殺す働きを持っています。
さらに、チューブをフリーザーに入れて凍らせ、次の授業まで保存しました。
凍らせたことで、完全に大腸菌を破砕しました。
この操作により、細胞内にあるGFPを取り出せるようになります。
チューブを暖めサンプルを溶かします
サンプルを遠心し、大腸菌の細胞壁などを沈でんさせました。
卓上遠心機 ちびたんUです(左)
遠心したサンプルです。左が沈澱、右が上清です上清から蛍光がでています。GFPは上清に含まれていることがわかります。GFPを大腸菌から溶かし出すことに成功しました。(右)
上清をサンプルとしてカラムクロマトグラフィーを行いGFPを精製します。
カラムとはチューブの中にビーズと呼ばれる粉末を詰めたものです。カラムの上からサンプルを注ぐと、特定の物質がビーズに吸着され、吸着されなかった物質はカラムの下から流れ出ます。
今回の実験ではタンパク質による水との親和性の違いによって分離をしています。GFPは他のタンパク質よりも水との親和性が低いのでその性質を利用しています。
さらに特定の物質を良く溶かすバッファーを注ぐと、その物質だけを溶かしだして、回収することが出来ます。
カラムクロマトグラフィー用のバッファーです。
左から
結合バッファー(GFPをカラムに吸着させます)
平衡化バッファー(カラムを使用可能な状態にします)
洗浄バッファー(カラムに吸着したGFPを洗い不純物を溶かし出します)
TEバッファー(GFPがよく溶け、カラムに吸着したGFPを溶かし出します)
カラムの準備をしています(右)
あらかじめカラムには平衡化バッファーを流し、使用可能な状態にしておきました。
サンプルに結合バッファーを加えGFPをカラムに結合しやすい状態にし、カラムに注ぎました。
カラムの上部が緑色の蛍光を発しています。GFPがカラムの上部に結合したことがわかります。カラムから流れ出るバッファーコレクションチューブ(カラムをさしてある小さい試験管)のNo.1に回収しました。
洗浄バッファーをカラムに注ぎました。GFPより水に溶けやすい不純物が洗い流されます。バッファーはコレクションチューブNO.2に回収しました。
GFPはカラムの上部に結合したままになっていることがわかります。TEバッファーをカラムに注ぎました。TEバッファーはGFPをよく溶かします。
GFPが溶け出してカラムを下へ移動していく様子がわかります。
カラムからGFPが流れ出しています。バッファーはコレクションチューブNO.3に回収しました(右)。この中に精製されたGFPが集まっているはずです。
左から
カラムを流れ出た結合バッファー(コレクションチューブNO.1)
洗浄バッファー(コレクションチューブNO.2)
TEバッファー(コレクションチューブNO.3)です。TEバッファーにGFPが溶けていることがわかりました。(左)
左と同じチューブを可視光だけで見たものです。GFPは眼に見えません。(右)
NO.3をサンプルとして次回電気泳動を行います。
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