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東京大学の三崎臨海実験所でウニ胚の割球を分割し人工的にクローンを造る実験の方法を習いました。
私と理科部の生徒2名を連れて行きました。
この実験はウニ卵の調節性を示す例として教科書でも扱われているものです。
PABA海水・・・・・PABA(パラアミノ安息香酸)5mM pH7.7 海水
この海水中で受精させると、受精膜の合成を妨害するために不完全な弱い受精膜ができる。この受精膜は簡単に除去できる。
CF海水・・・・・・・カルシウム欠如海水 pH8
透明層の形成を妨害するために割球の接着が弱くなり割球の解離を行いやすくする。
CMF海水・・・・・カルシウム・マグネシウム欠如海水 pH8
透明層を溶かしてしまうが胚に与えるダメージも大きいので短時間使用する。
正常海水・・・・・普通の海水
PABA海水中で受精させ受精膜を除去→CF海水中で培養→二細胞期にCMF海水に入れ割球を解離→正常海水中で培養
臨海実験所のセミナー室です。 | 実験に使用したバフンウニです。正常海水の入ったチューブとPABA海水が入ったチューブに未受精卵を入れ、精子を加え受精させました。 |
正常海水注で受精させた受精卵です。受精膜ができています。 | PABA海水中で受精させた受精卵です。受精膜が広がっていることがわかります。 |
PABA海水中で受精させた受精卵をチューブごと振り受精膜を取り除きました。実体顕微鏡で確認しながら卵を壊さない程度に何回かに分けて振りました。 | 受精膜を除去した胚はCF海水に移し培養を続けました。第一分裂が始まりました。 |
二細胞期の胚をCMF海水の入ったチューブに入れ軽く振って割球を解離しました。解離が終わったら、正常海水中に移し培養を続けました。 胚は逗子高校に持ち帰り、継続して観察しました。 |
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2細胞期です。 | |
翌日の胚です。原腸胚後期になっています。左が正常な胚。右が解離した割球から育った胚です。大きさを比較してください。 | 翌々日の胚です。プリズム幼生になっています。左が正常胚。右が解離した割球が発生したものです。大きさを比較してください。 |
4日後、プルテウス幼生まで発生が進みました。右が正常発生をしたもの。左が解離した割球から発生したものです。小さくてもちゃんとしたプルテウスになっていることがわかります。 |
受精膜を除去した胚は傷つきやすく、逗子高校に運ぶ途中でかなり死んでsしまいました。またシャーレの底に張り付いて死んでしまうののが多く育ったのはごく一部でした。シャーレの底にアガロース(寒天)を塗ると張り付くのを防止できるそうです。
2006.7.30.更新
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