ウニ胚の異常発生を観察しました・Caが正常発生には必要

Ca2+ 欠如海水中の胚の観察。

ビーカーで人工受精し、受精卵が沈でんしてから、ピペットでCa2+ 欠如海水に移す作業を2回 行い、最後にシャーレに移して培養しました。

ここまでは教員が準備し、初期発生の観察の時 一緒に観察させました。

Ca欠如海水中の胚です。桑実胚期にあたるはずですが。細胞の接着が不十分で卵割腔が作られていません。↑

胞胚期の正常海水中の胚です。細胞が接着し胞胚腔が出来ています。↑

胞胚期後期に相当すると思われるCa欠如海水中の胚です。すでに受精膜が無く孵化が起こったことがわかります。ただの細胞の固まりになっています。

アクチンの重合を阻害した胚の観察

サイトカラシンという物質はアクチン(Gアクチン)が重合し繊維状になる(Fアクチン)反応を阻害します。サイトカラシンを含む海水中で発生させました。(タコノマクラ胚)

2細胞期に相当する時期です。核は分裂して2つ見えますが、細胞質は分裂していません。細胞の表面がでこぼこしています。↑

アクチンは細胞の表面に多く存在し、細胞の形を保つ働きをしています。また細胞質分裂を引き起こす収縮環を作ります。サイトカラシンはこの働きを阻害したため、細胞質分裂が起こらず細胞の形も上手く保てなくなっていることがわかります。

正常発生している胚のアクチンの蛍光像と比べてください。